【第１話】君に出会って、おれの「冷たさ」で誰かを笑顔にできると知った

第1話　今から

おれ・宮門計は、人からよく「冷たい」と言われる。

無表情、無気力、優しくない、人間味がない。

周りからの印象は、どこに行ってもそう変わらなかった。

そんなおれが、今なぜか。

多くの生徒たちの声援を真正面から浴びている。

ステージの下に集まった100人近くの生徒たちは、一様に笑顔でおれを迎えてくれている。

「冷たい」とばかり言われていたおれが…

「いくよ」

隣から女子の声がかかり、おれはハッと我に返る。

そう、今から始まるんだ。

おれの人生の転機が…

おれはすうっと、胸に大きく息を吸い込んだ。

「君に出会って、おれの「冷たさ」で誰かを笑顔にできると知った」